Spotware Systemsは10月8日、cTraderでプラグインを配信する新機能を発表した。ブローカーやプロップファームは、自社開発または外部委託したツールを全顧客に自動配信できるほか、ストアに掲載して自社のトレーダーだけに提供することもできる。対象はモバイル、Web、Windows、Macで、cTrader本体のバージョン更新を待たずにプラグインを公開できる。顧客がツールを探して個別にインストールする手間を省き、調査や顧客サポート、取引管理機能を取引環境に組み込みやすくする狙いだ。
自動配信か自社ユーザー限定か、2通りの提供方法
企業は、プラグインを自社の全顧客へ自動配信するか、cTrader Storeに掲載して自社の利用者に限って提供するかを選べる。Spotwareによると、プラグインはモバイル、Web、Windows、Macの各アプリで動作し、公開のタイミングはcTrader本体のリリースと独立している。
これまで利用者は、ストアで必要なプラグインを探して自分でインストールするのが一般的だった。自動配信では、ブローカーやプロップファームが顧客に直接ツールを届けられる。特定の機能を顧客間で統一しやすくなる一方、どの口座に提供するかは企業が選ぶ配信方法によって異なる。
Spotwareによると、cTraderの利用者は現在1,200万人を超え、導入するブローカーとプロップファームは300社以上に上る。同社が今年4月に示した利用者数は1,100万人だった。ストアには、すべてのcTraderアプリで使えるプラグインが19本、デスクトップ版のみ対応するものが59本ある。
第三者サービス連携から企業独自ツールの配信へ
cTraderは2024年11月のバージョン5.0でプラグイン機能を導入し、第三者サービスとの連携を進めてきた。2025年1月にはAcuity Tradingが調査ツールをプラグインとして提供。ブローカーはサーバーや口座残高に応じてアクセスを制限できる。さらに2025年6月、SpotwareはWebViewプラグインを導入し、ブローカーがストアに掲載したうえで自社顧客に限定して公開できるようにした。今回の更新では、全顧客への自動配信が新たに加わった。
プラグインの用途としては、AIアシスタント、取引日誌、シグナル、計算ツール、経済カレンダー、顧客サポート、ゲーミフィケーションなどが挙げられる。企業は既存のWebツールをcTraderに接続できるほか、外部の開発会社に制作を依頼することも可能だ。Spotwareは、cTraderコミュニティの開発者への相談も選択肢としている。
Spotwareで製品開発を統括するSergey Borisov氏は、ブローカーやプロップファーム自身がサービスの見せ方を決めるべきで、プラットフォーム側が代わりに選択するものではないと述べた。また、AIを活用したコーディングによって、高額なシステム統合を行わずに企業がツールを提供しやすくなるとの見方を示した。
ストアのサブスクリプションとプロップファームの運用
cTrader Storeでは、有料ツールの提供も広がっている。Spotwareは2026年8月、cBot、インジケーター、プラグインに週単位から年単位までのサブスクリプションを導入し、有料商品の売上に30%の手数料を設定した。今回の配信機能はこの有料販売と並行して利用でき、企業はストアで提供するか、自社顧客へ直接配信するかを選べる。
Spotwareが対象として特に挙げたのがプロップファームだ。各社のチャレンジ規則やトレーダーの参加手続き、リスク要件に合わせたプラグインを設計できる。ただし、発表では個別企業の導入計画や、プラグインの料金設定は明らかにされていない。cTraderを採用する評価会社にはHola Primeがあり、同社は2026年6月、資金提供を受けるトレーダー向けにcTraderを導入した。
こうしたツールは、プロップファームの評価プロセスに直結する。MetaQuotesが2024年2月にプロップファームによるMetaTraderの利用を制限して以降、関連企業は代替プラットフォームを模索してきた。今回の機能拡充で、cTrader上の企業はプラグインの配信方法を選びやすくなるが、チャレンジ規則や口座管理にどう活用するかは各社の判断に委ねられる。