ビットコインのボラティリティが足元で約2年半ぶりの低水準に低下している。価格は狭いレンジで推移しており、現時点では明確な方向感は出ていない。世界の金融市場が荒い値動きとなった週を経ても、BTCは8万2,000ドル近辺を維持している。8万5,000ドルを上抜けるか、8万ドルを割り込むかが、次の相場局面を見極める手掛かりになりそうだ。
10月19日時点のBTC価格は約8万2,538ドルで、過去24時間では0.92%上昇した。価格変動を測るボリンジャーバンドは明確に収縮しており、バンド幅は約5,368ドル、ビットコイン価格の約6.5%に相当する。この水準は、過去約2年半のなかでもボラティリティが特に縮小した局面の一つに当たる。
ボリンジャーバンドの収縮だけでは方向は読めない
ボリンジャーバンドは、価格が直近の変動レンジのどの位置にあるかを確認するための指標だ。バンド幅の縮小は市場の値動きが弱まっていることを示す一方、その後に比較的大きな価格変動が起きる前段階となる場合もある。ただし、ボラティリティが低下しているという事実だけでは、上昇方向にブレイクするのか、下落方向に動くのかは判断できない。
そのため、現在の低ボラティリティは方向性を示すシグナルというより、市場が膠着している状態を表す材料とみるのが適切だ。BTCはなお8万2,000ドル近辺で推移しており、市場参加者は価格が狭いレンジを離れられるか、またブレイク後に重要水準の上、あるいは下で値動きを維持できるかを見極めようとしている。
過去2回の収縮後には約30%の値動き
ビットコインでは、過去のボラティリティ収縮が一つの参考材料になっている。今年5月には、BTCが8万2,000ドル前後で今回と似た収縮局面を形成。その後、価格は大きく下落し、下落率は約30%に達した。一時は5万8,000ドルを下回っている。
この経緯は、低ボラティリティの局面の後に大きな値動きが発生する可能性を示すものだ。ただし、過去の値動きだけを根拠に、今回も同じ方向や規模の動きになると判断することはできない。
当時の値動きは、重要な価格水準の意味も浮き彫りにした。8万ドルの支持線を割り込めば、市場は下落リスクを改めて織り込む可能性がある。一方、8万5,000ドルを上回って定着すれば、短期的には異なるシグナルとなり得る。現在、この2つの水準がビットコインの調整局面が終わるかどうかを見極める主な基準となっている。
株式と原油も不安定ななか、BTCは狭いレンジ
ビットコインが8万2,000ドル近辺を維持する一方、ハイテク株は軟調に推移し、原油価格は1バレル100ドルを上回っている。世界の市場環境が落ち着きを欠くなかでも、BTCの足元の値動きは比較的狭い範囲にとどまり、上述したレンジから明確に離れてはいない。
市場参加者が今後注目すべきなのは、ボリンジャーバンドの収縮そのものではなく、価格が8万ドルと8万5,000ドル近辺の水準にどう反応するかだ。現在のデータはボラティリティが拡大する可能性を示しているものの、ブレイクの方向、時期、値幅はいずれもまだ不確実なままだ。