BNY Mellon(BNY)はSingapore Gulf Bankに、24時間365日の米ドル決済機能を提供する。同行は従来の銀行営業時間外にも米ドル資金の決済を手配できるようになり、デジタル資産企業や関連金融機関が抱える、時差をまたぐ資金移動や週末・祝日の決済需要に対応する選択肢が広がる。
BNYの決済網で米ドル決済を24時間対応
今回の提携の対象は米ドル決済であり、新たな暗号資産やステーブルコインの発行ではない。Singapore Gulf BankはBNYの銀行インフラを活用し、週7日、終日、米ドル資金の決済を手配できる。
サービスの対象顧客や1件当たりの取引上限、同行の米ドル業務全体が対象となるかどうかは、現時点で明らかにされていない。
BNYは米国の大手カストディ銀行で、金融機関向けに資産管理、決済、キャッシュマネジメントなどを手掛ける。一方、Singapore Gulf Bankはデジタル資産企業や関連金融サービスを主な事業領域としている。今回の提携は、伝統的な金融機関の米ドル決済網と、デジタル資産市場が求める常時利用可能な資金決済を結びつけるものだ。
週末も続く市場取引、米ドル流動性が課題
デジタル資産市場は年間を通じて取引が行われる。取引所、マーケットメーカー、カストディアン、機関投資家の資金需要も、銀行が週末に休業している間に止まるわけではない。従来は銀行システムが再開するまで、営業時間外の米ドル送金を待つ必要があり、担保の追加、顧客からの払い戻し、取引相手との決済、国境をまたぐ資金手配に影響する場合があった。
ただし、24時間の米ドル決済により、すべてのデジタル資産取引が即時に完了するわけではない。コンプライアンス審査、口座の利用権限、取引相手の制約も残る。実際の処理時間は取引の種類や顧客の所在地、マネーロンダリング対策の手続き、当事者間の業務上の取り決めなどに左右される可能性がある。
BNYとSingapore Gulf Bankは、サービスの取引量や顧客数、具体的な導入規模を公表していない。
利用対象や対応取引の詳細は未公表
市場にとって、24時間の米ドル決済がもたらす主な変化は、資金を利用できる時間の拡大と決済業務の継続性だ。デジタル資産企業は銀行休業による時間差を抑えられる可能性がある一方、銀行には継続的な流動性管理や取引監視、リスク管理が求められる。
現在公表されているのは、BNYがSingapore Gulf Bankに終日対応の米ドル決済機能を提供するという内容に限られる。トークン化預金、ステーブルコイン、その他のブロックチェーン決済手段を今後支援するかは示されていない。現段階では、特定のデジタル資産商品への支持ではなく、銀行決済サービスの拡充として捉えられる。今後確認されるべき点は、利用対象となる顧客や取引の範囲、実際の決済実績だ。