ビットコインが心理的な節目である10万ドルに再び近づくなか、FidelityのTimmer氏は、これまで示していた「1年にわたる調整局面」との見方を修正した。ビットコインは現在84,498ドルで、前日比0.59%高。市場の関心は、長期のもみ合いが続くかどうかから、10万ドルに向けた上昇をさらに伸ばせるかどうかへ移っている。
Timmer氏、「1年の調整局面」との見方を修正
Timmer氏はこれまで、ビットコインが最長で1年に及ぶ調整局面に入る可能性を指摘していた。この見方に立てば、過去の値動きの大きさを消化する間、価格は長期間にわたって方向感を欠き、新たな材料が現れるまで投資家は待つ必要があることになる。
今回の発言では、同氏はこの「1年の調整局面」という見方を維持しなかった。見通しの変更だけで価格目標が実現したことを意味するわけではないが、Fidelityに所属するTimmer氏の判断は、機関投資家がビットコインの相場サイクルや資金フローを見極める際の材料になり得る。
一方、現時点で公表されている情報では、Timmer氏が見方を変えた具体的な根拠は十分に示されていない。マクロ流動性、機関投資家の資金、相場のバリュエーション、ビットコインの需給について、最新の定量的な判断が明らかになったわけではない。市場では今後の価格推移や資金データを確認し、今回の修正が相場見通しの実質的な転換を示すものかを見極める必要がある。
10万ドルまで約18.3%の上昇余地
ビットコインが84,498ドルの場合、10万ドルまでの差は15,502ドルで、必要な上昇率は約18.3%となる。10万ドルは単なる大台にとどまらず、市場参加者が相場の妥当な水準を改めて評価する価格帯になる可能性がある。
上昇が続けば、取引参加者は出来高や資金流入が値上がりに伴って拡大しているかを確認することになる。反対に、出来高を伴わない上昇となれば、10万ドル前後で値動きが大きくなる可能性も残る。
主要な暗号資産の値動きは、この日もまちまちだった。イーサリアムは2,706.79ドルで0.64%高、ソラナは121.55ドルで0.85%高。XRPは1.53ドルで1.58%安、ドージコインは0.097ドルで0.44%安となった。Renderは2.03ドルで4.54%高、Worldcoinは0.54ドルで11.91%高だった。主要トークン全体に資金が一様に流入しているわけではなく、市場心理にはなお明確なばらつきがあることがうかがえる。
10万ドル定着の判断には需給と出来高が焦点
ビットコインが10万ドルを上抜け、その水準を維持できるかどうかは、1人のアナリストの見方の変化だけで決まるものではない。現物市場の需要、機関投資家向け商品の資金フロー、金利を含むマクロ環境、さらに価格上昇時の出来高を見極める必要がある。
現在のビットコインは、なお10万ドルを一定幅下回る水準にある。Timmer氏の見方の修正は市場を観察する新たな材料となったが、今後も価格変動が続く可能性をなくしたわけではない。