9月28日(月)の暗号資産市場では、ビットコインとイーサリアムがともに約2%下落し、市場全体の時価総額は前日比で約4.5%減少しました。一方、時価総額上位100銘柄では、Quant(QNT)、Bitway(BTW)、XDC Network(XDC)が逆行高となりました。上昇の背景は銘柄ごとに異なります。
Quant、1週間で260%高
Quantは当日、上昇率が一時32.85%に達し、238.2ドルで取引されました。記事掲載時点で、1週間の上昇率は260%に拡大しています。上昇のきっかけは9月24日、米国の清算機関The Clearing Houseが、Quantの運営するトークン化預金ネットワークを採用すると発表したことでした。
The Clearing Houseは米大手銀行25行が共同で保有する機関です。同ネットワークは2027年上半期の稼働開始を予定しており、発表を受けて、銀行決済やトークン化預金におけるQuantの活用が市場の関心を集めています。
また同日、英バークレイズ、HSBC UK、NatWestは、Quantのプラットフォーム上でポンド建てトークン化決済の実取引を完了しました。銀行との具体的な取り組みが、足元のQNT上昇を支える材料となっています。ただし、今回の上昇後も、価格は2021年9月に記録した過去最高値427.42ドルを約47%下回っています。
Bitwayは一時、過去最高値の1.43ドル
ビットコインに重点を置くレイヤー1ブロックチェーン、Bitwayも大きく上昇しました。BTWは一時28.3%高の1.38ドルまで上げ、月曜日の早い時間帯には過去最高値となる1.43ドルを付けました。週間では75%上昇し、時価総額は約37億ドルとなりました。
当日までに、Bitwayから新たな取引所上場やプロトコル更新の発表はありませんでした。そのため、今回の値動きを直接説明するプロジェクト固有の発表は確認されていません。直近の材料として挙げられるのは、10月2日まで続くBinance Wallet Booster Season 5です。
BTWの上昇は、アルトコインへの資金循環が意識されるなかで起きました。Blockchain Centerのアルトコイン・シーズン指数は月曜日に59となり、中立圏にとどまったものの、7月の25未満から大きく回復しました。同指数が「ビットコイン・シーズン」を最後に脱したのは9月2日で、夏場に比べて一部のアルトコインへの関心が高まっていることを示しています。
XDC、Sibos Miami開催と検証者の参加が重なる
XDC Networkも当日の上昇銘柄に入り、約12%高となりました。Sibos Miamiの開催期間中に市場の関心が高まったほか、ネットワークには新たな検証者が加わりました。
Sibosは金融インフラや決済業界の主要イベントです。同じ時期にXDCが上昇したことで、企業や金融機関向けのブロックチェーン活用に市場の注目が集まっていることがうかがえます。ただし、単一の発表が値上がりを説明しているわけではありません。イベントへの関心、検証者の変化、アルトコイン全体の資金循環が重なった可能性があります。
ビットコインとイーサリアムが下落した日に3銘柄が上昇したことから、暗号資産市場から資金が一様に流出したのではなく、個別の材料や売買の活発さを背景に一部銘柄へ資金が向かった様子が見て取れます。Quantでは銀行との取り組みが具体化する一方、Bitwayには上場やプロトコル更新の発表がなく、XDCは業界イベントとネットワーク参加者の変化が重なる形となりました。