中国の7~9月期の実質GDPは前年同期比4.5%増となり、市場予想の4.4%を上回った。前期比も1.2%増と、予想の1.1%を超えた。9月は工業生産と小売売上高がともに伸びを高め、四半期の成長を下支えした。一方、製造業や輸出の堅調さとは対照的に、不動産と投資は弱いままで、景気回復は国内需要全体には広がっていない。
7~9月期GDPは4.5%増、9月の生産・消費も改善
7~9月期のGDP成長率は、4~6月期の4.3%から4.5%に加速した。1~9月の成長率は前年同期比4.6%で、通年の政府目標である4.5~5.0%の範囲内にある。
9月の一定規模以上の工業企業の生産額は前年同月比5.5%増。8月の5.2%増から伸びが加速し、市場予想の5.4%も上回った。社会消費品小売総額の伸びも8月の0.4%から1.1%に高まり、予想の0.5%を超えた。
ただし、消費の動きには差がある。1~9月のサービス小売売上高は5.0%増だった一方、商品小売売上高の伸びは1.0%にとどまった。9月の都市部調査失業率は5.2%だった。
ハイテク製造と輸出が生産を下支え
1~9月の高技術製造業の生産は前年同期比14.3%増、装備製造業は10.2%増と、工業生産全体の5.3%増を大きく上回った。品目別では3Dプリンターが62.5%増、リチウムイオン電池が39.5%増、産業用ロボットが29.1%増となった。高技術産業への投資も4.9%増え、固定資産投資全体が縮小するなかで異なる動きを示した。
輸出も製造業を支えた。人民元建ての9月の財輸出は前年同月比29.6%増。輸出やテクノロジー関連産業の拡大が景気を押し上げる一方、成長のよりどころが製造業と海外需要に偏り、国内投資の弱さが目立つ構図となっている。
不動産開発投資は20.6%減、投資全体も縮小
1~9月の固定資産投資は前年同期比7.2%減となり、1~8月と同じ減少率だった。内訳では不動産開発投資が20.6%減、インフラ投資が4.2%減、製造業投資が2.1%減。不動産開発を除いても固定資産投資は4.2%減で、投資の弱さは住宅市場に限られていない。
同期間の新築商品住宅の販売額は13.9%減、販売面積は13.2%減だった。不動産市場の低迷が投資活動を引き続き押し下げており、工業生産の持ち直しは、幅広い投資の回復にはまだつながっていない。
成長目標の範囲内も、内需の不足が課題
1~9月の成長率は通年目標の範囲内にあり、7~9月期の改善は、短期的に大規模な景気刺激策を打ち出す必要性を弱める可能性がある。ただし、経済の分野ごとのばらつきは残る。中国国家統計局は、国内需要の不足が現在の課題として突出していると指摘した。
足元の比較的高い成長は、高技術製造業、装備製造業、輸出が主に支えている。一方、不動産開発投資と固定資産投資全体は縮小が続く。工業生産や輸出の底堅さが国内消費や投資にも波及するかどうかが焦点だが、現時点の統計からは、改善が広く行き渡ったとは確認できない。