米CPI発表控え黄金・白銀は利益確定の動き
7月25日早朝、現物の金・銀価格は小幅に下落した。前夜に金価格は2カ月ぶりの高値に達していたが、投資家は部分的な利食いに動いた。市場の視線は翌日発表予定の米消費者物価指数(CPI)に集まっている。記事執筆時点で現物金はオンスあたり4386.30ドルで0.04%の下落、現物銀は65.09ドルで0.78%の下落を記録している。
7月の米非農業部門雇用者数は前月比で2.3万人減少し、市場予想を下回った。これを受けて経済成長の鈍化懸念が広がっている。連邦基金金利の調整見通しもこの雇用データとインフレ予想の相反で変動している。最近の原油価格上昇は、米連邦準備制度理事会(FRB)が9月に利上げを実施する可能性を51.9%まで押し上げている。10年物米国債利回りは4.74%へ上昇し、2025年1月以来の高水準に接近。ドル指数は99.83付近で小幅な動きにとどまっている。市場では7月のCPI前年比が3.5%から3.4%へ小幅低下すると予想されている。
ホルムズ海峡の緊張がエネルギーと貴金属市場に影響
ホルムズ海峡をめぐる地政学的な緊張がエネルギーと貴金属市場の変動要因となっている。イラン側は米国の譲歩を条件に同海峡の全面再開に前向きな姿勢を示す一方、米側が賠償条件の追加を求めているため交渉は難航している。25日にはブレント原油が一時90ドルを超えた後反落、米産WTI原油は82ドル付近で推移した。原油価格の上昇は金の避難資産需要を後押しするとともに、インフレ圧力増大を通じてFRBの金融政策見通しにも影響を与えている。
さらに、紅海のアデン湾にあるバブ・エル・マンデブ海峡で小型貨物船が攻撃を受ける事件が発生し、海上の安全リスクが一段と高まっているため、投資家は引き続きこの地域の動向に注目している。
世界株式市場は方向感乏しく、アジア太平洋は銘柄により差異
米国株価指数の先物は軟調ながらも大きな変動はなく、S&P500とナスダックは小幅上昇(0.1〜0.3%)、ダウ平均はわずかに0.1%下落。欧州市場は方向感が分かれ、フランスCAC40は0.1%下落、ドイツDAXは0.1%上昇、英国FTSE100は横ばいで推移。アジア太平洋市場では韓国Kospi指数が0.7%上昇する一方、香港ハンセン指数は1.1%下落、上海総合指数は0.8%の下落、オーストラリアS&P/ASX200は0.2%上昇となった。東京市場は祝日のため休場した。
金価格の技術的視点と今後の注目ポイント
金価格の短期上値目標は4430ドルから4492ドルのレンジで、これを上抜ければ4500ドルおよび4598ドルを目指す可能性がある。一方、4360ドル割れは4299ドルや4224ドルまでの下落を示唆する。銀は6521ドルから6627ドルの間の上抜けが重要で、突破時は6760ドルと6892ドルの抵抗帯に接近する見込み。下値では64ドルを割り込むと6316ドルや6164ドルが次の注目支援線となる。今後も米CPIデータの発表と、中東情勢の変化が貴金属市場とエネルギー市場に大きな影響を与え続けるため、市場参加者はこれらの動向に注意を払う必要がある。