2026年第2四半期、堅実な業績を記録したPACSグループ
PACS Group, Inc.は2026年第2四半期に収益が前年同期比9.1%増、営業利益は35.8%増加し、純利益は7,630万ドルに達した。2025年初頭から稼働している284施設の同店売上高は5.8%増加し、入居率は89.1%から90.6%に上昇。患者滞在日数も2.2%増加し、専門的な看護患者の比率は29.7%にまで高まった。成熟施設の入居率は93.8%である一方で、新規買収施設はまだ低調であり、施設ごとに異なる運営状況を反映している。
Eduro買収後の統合に課題と成長の可能性
PACSは最近、Eduro傘下の34施設、合計3,633ベッドを取得した。このうち20施設は8月1日にテキサス州で閉鎖され、残り14施設は秋から冬にかけて引き渡しが完了する見込み。経営陣は、これらの施設の初期入居率が約60%で、専門的看護患者比率は10%から11%にとどまっていると説明。統合には慎重な計画と運営改善が必要な局面である。1日あたり475ドルの利用料、75%の入居率を前提とした場合、年間の関連施設収益は約4億7,200万ドルと試算される。統合の遅れや運営リスクを考慮し、モデル上は約2億6,000万ドルを新たな収益貢献と見込む。こうした背景から2026年通期の収益予想は575億ドルから585億ドルに上方修正されており、調整後EBITDAは64億ドルから66億ドルと、前年同期比29%増を想定している。
Ensignグループとの評価倍率比較で示される割安感
業界大手のEnsignグループは時価総額約102億ドルで、2026年上半期の調整後EBITDAは年換算3億5,200万ドル。これに対し、PACSは調整後EBITDAの11.5倍の評価にとどまり、法的および運営リスクが反映されているとみられる。2027年の調整後EBITDA予想7億4,300万ドルを踏まえ、負債純額や法務引当金を差し引いた株価評価は約49.58ドルとなり、現行の42.31ドルに対し17%の上昇余地がある計算だ。期間純利益ベースの株価収益率は約24.7倍で、Ensignの27倍と近い水準にある。
法務リスクと内部統制問題が市場心理に影響
PACSは、メディケア関連の収益認識や法令遵守について複数の調査を受けている。司法省による2024年以降の複数回にわたる調査要請のほか、証券取引委員会による内部統制の審査も進行中。2026年中間報告では情報開示関連の内部統制に重大な欠陥が判明し、改善未了である旨を公表。既に1億8,100万ドルの返金責任を計上し、約9,650万ドルの法務引当金を積み増し済みだ。こうした不透明感から投資家の慎重姿勢が続いており、8月中旬時点で空売り比率は約7.6%に達している。CEOのJason Murrayは定例的な株式売却で39万株を売却したが、依然として5,470万株を保有している。
今後の焦点は同店成長維持とリスク管理の進展
短期的には大規模買収に依存せず、同店営業施設の入居率90%以上の維持とEduro残施設のスムーズな引き継ぎ・運営が注目される。加えて、内部統制の強化と法令遵守に関する改善状況の進展も投資家の関心を集めている。2026年第3四半期のキャッシュフロー状況や決算発表が、今後の会社の運営状況とリスク把握における重要な指標となるだろう。事業運営または法務関連の予期せぬ変化があれば、評価や投資家心理に即座に影響を与える可能性が高い。
全体として、PACSグループは買収統合と運営改善に一定の成長機会を示す一方で、法的および管理面の課題から市場評価は割安感を帯びている。今後は法的調査の動向や統合推進状況を継続して注視する必要がある。