送金失敗で10万ドル超の手数料支払い発生
2026年8月12日、約1.6ビットコイン(約10.3万ドル)に相当する手数料が支払われたにもかかわらず、取引は送金額ゼロで承認されるという異例の出来事が起きた。ブロックチェーンの記録によると、単一の入力総額は1億6034万3885サトシに達し、ほぼ全額が手数料に充てられた結果、送金実額はゼロとなった。取引はマイニングプールSpiderPoolによってブロックに組み込まれ、このプールはその区切りの取引手数料の88%を獲得している。
手数料上昇の原因はRBF機能の自動増額スクリプト
問題の根本には「Replace-by-Fee(RBF)」機能がある。これは未承認取引に対してユーザーが手数料を上乗せして再送信し、取引承認を早めるものだが、該当取引では自動スクリプトが毎秒手数料を引き上げ続け、最終的にウォレット残高をすべて手数料に割り当ててしまった。そのため転送額はゼロとなった。ビットコインプロトコル自体は単一取引手数料上限を設けていないため、このような極端な手数料高騰が発生する可能性がある。
ウォレット設計と手数料設定の見直しを
業界からは、自動RBF機能をむやみに使わず、手動で手数料調整を行うことが推奨されている。また、現代の多くのウォレットでは最大手数料を設定できる機能が備わっており、適切に設定すれば今回のような事態を未然に防げた可能性がある。特に大量送金や自動処理を行う際は、少額のテスト取引を先に実施しスクリプトの動作を確認することが推奨される。
このほか、Coldcardのハードウェアウォレットで過去に報告されたシステム脆弱性による資金喪失事件も含め、ウォレットの安全性に対する啓発が強まっている。バイナンス創業者の趙長鵬(CZ)も、完全な安全は存在しない旨を指摘している。
マイナー収入向上もユーザー損失は深刻
ビットコインの価格は約6万3770ドル前後で推移しており、今回の手数料損失は市場価値で10万ドル以上に達する。個人ユーザーにとっては非常に大きな損失だが、マイナーにとっては現在減少傾向にある採掘収入を補う形で一時的な収益増となった。特に一部マイナーがネットワーク離脱する環境下では、この種の高額手数料は貴重な収入源となる。
今回の出来事はウォレットの自動取引機能や手数料設定に関して再考を促している。取引手数料が一定割合を超えた場合の利用者への明確な警告や自動加算機能の制限が今後の改善ポイントとみられる。ユーザーは自動化ツールの設定確認と対策を怠らず、不必要な資金流出を防ぐ注意が求められる。