米アトランタで開かれたG20外相会議は、ロシアのラブロフ外相と同じ写真に収まることを避けたいとする代表団があったため、予定していた集合写真を中止した。米国の主催者は、撮影を外交上の争点にせず、会議を実質的な議題に集中させるための判断だと説明した。米ロ関係をめぐる各国の立場の隔たりが表面化した形で、米国とウクライナの関係が緊張し、ワシントンの対ロシア政策にも変化がみられるなかで起きた。
英国代表団も集合写真への参加を拒否
会議は米国務長官が議長を務め、主要経済国の外交官が参加した。通常、各国の代表が一堂に会する「家族写真」は金曜日の午前に予定されていたが、複数の当局者が撮影の中止を認めた。
英国代表団も参加を拒んだ。英国の当局者は、ロシアの閣僚と直接の二国間接触を行わないという従来の方針は、今回の会議でも変わらないと述べた。米国側は、一部の代表団が共同撮影に参加しない意向を確認したため、儀礼的な行事が会議の議論を妨げないよう、撮影を取りやめたとしている。
ウクライナはG20の加盟国ではないが、近年は同様の会議に招かれたことがある。今回は招待されず、ウクライナの不在とロシア外相の出席が対照をなし、各国間の外交上の隔たりを際立たせた。
米国の対ロ政策にウクライナと欧州が反発
集合写真の中止と同じ時期に、米ロ関係には一定の緩和をうかがわせる動きが出ている。米政権は一部の対ロ制裁を一時停止し、ロシア産ディーゼル燃料を米国市場に輸入する取り決めにも同意した。米国側は、制裁の一部停止について、ロシアをウクライナとの交渉に関与させ続けるためだと説明している。決定の背景には、米国内で燃料価格に上昇圧力がかかるなか、11月初旬の中間選挙が近づいていることもある。
ウクライナと欧州の同盟国は、ディーゼル燃料の取り決めを批判した。ウクライナのゼレンスキー大統領は、これをロシアのプーチン大統領への「贈り物」に当たると表現。終結させるべき戦争を長引かせることへの投資だと指摘した。
ロシアはこれまでディーゼル燃料の輸出を禁止していたが、米国や世界市場に石油・石油製品を供給する用意があるとしている。
ウクライナ侵攻が続き、各国の対応に溝
今月、ロシア国内の石油インフラをウクライナが攻撃したことをめぐる外交上の行き詰まりもあり、米国とウクライナの関係は緊張している。一方、ロシアは2022年の全面侵攻開始以降、ウクライナ領の約5分の1を支配。ここ数週間は、キーウを含むウクライナ各地へのミサイルや無人機による攻撃を強めている。
集合写真の中止は日程上の変更にとどまらず、ロシアとの接触をどう扱うかをめぐる各国の立場の違いを示した。主催者は撮影を取りやめた一方、会議は予定どおり実質的な議題を中心に進められた。