欧州連合のデジタルサービス法による規制区分の更新
欧州連合(EU)は最新のデジタルサービス法(DSA)に基づき、OpenAIのChatGPTを「超大型オンライン検索エンジン」として正式に指定しました。同時に、RedditとRobloxは「超大型オンラインプラットフォーム」に分類され、EU域内における利用者数が規定する4500万人の基準を超えたことで、最も厳しい規制層に位置づけられました。一方、Anthropic社のAIチャットボット「Claude」は欧州での登録ユーザー数が4500万人に満たないため、この厳格な規制対象には含まれていません。
DSAでは、企業は年次報告として欧州での月間アクティブユーザー数を自己申告し、EU当局がこれを審査のうえでプラットフォームの規制区分を決定します。この4500万人の基準は、サービスが負うべきコンプライアンス義務や監督の強度を左右する重要な指標です。
ChatGPT、Reddit、Robloxの利用者数推移
ChatGPTは欧州における月間アクティブユーザー数が約1億5900万人とDSAの基準を大きく上回り、3.5倍に達しています。Redditは5720万人、Robloxは約4660万人と共に基準を超えていますが、Robloxはわずか160万人の差で基準に近い水準です。利用者数の変動は規制区分に影響しうるため、対象プラットフォームは動向を注視しています。例えば、2025年5月には成人向けコンテンツ配信プラットフォームのStripchatがユーザー数の減少により超大型プラットフォームの指定を解除される事例もありました。EUの実行副委員長ヘンナ・ヴィルックネン氏は「規制条件を満たすサービスには躊躇なく指定を行う」としています。
AnthropicのClaudeは規制対象外のまま
Anthropicは年に2回以上、EUに対してユーザー統計を報告していますが、2025年10月末時点の直近6か月のデータではClaudeの欧州ユーザー数はDSAが定める基準に遠く及んでいません。具体的なユーザー数は公開されていませんが、報告は10か月以上前の情報です。Anthropicは今後の上場計画を控えており、ユーザー基盤の拡大が投資家や市場関係者の関心を集めています。
規制準備と今後の課題
超大型に指定されたプラットフォームは約4か月以内、2027年1月までにDSAへの完全な適合を完了しなければなりません。この義務には、不正コンテンツの拡散防止や未成年者の保護、利用者の精神的健康への配慮、選挙への影響評価などシステムリスクの分析も含まれ、プラットフォームの透明性のための監査も必須です。
今回の規制区分の更新は、AIやソーシャルメディアに関する規制の細分化を示すとともに、利用者数を基準とした規制適用の重みを浮き彫りにしました。一方で、利用者数の多寡だけでなく、個人情報保護やコンテンツの安全性といった課題も引き続き重要な監視対象であり続けます。Anthropicがこれらの規制・市場状況の変化にどう対応していくかは、今後の注目点となります。