イーサリアムのハードフォーク「Glamsterdam」で予定されていた2回目かつ最後のテストネット演習が、ガス関連提案の脆弱性を受けて中止された。少なくとも13件のDeFiコントラクトに影響する可能性がある。一方、Solanaではコンセンサスの大型アップグレード「Alpenglow」がメインネットに導入され、Starknetのコミュニティは独立した耐量子Layer 1への移行可能性を調査する案を支持した。今週の暗号資産市場は小幅安となり、ビットコインとイーサリアムはいずれも下落した。
Glamsterdamのテスト演習、コントラクトへの影響を評価
セキュリティ企業ChainSecurityが発見した問題は、EIP-8037とEIP-8038に関係する。現在のガス枯渇時の呼び出し動作に依存するコントラクトが、提案によって動作を変え、機能しなくなる可能性がある。攻撃に悪用されるリスクも指摘されている。Hoodiテストネットでの演習に新たな日程は設定されておらず、開発チームはハードフォークが及ぼす影響を評価する必要がある。
Eth LabsのDerek Chiang氏によると、脆弱性が見つかったのは深夜近くで、関係チームが対応を検討する時間は限られていた。同氏は、プロトコルの設計段階で、アップグレードによる互換性への影響をより早く、幅広く分析する必要があると述べた。
Eth Labsとイーサリアム財団の研究者は、それぞれAIエージェントを使ってコントラクトの脆弱性を調べていた。似た手法で調査していることが分かると、GitHubリポジトリ上にエージェント用の掲示板を設け、調査を調整した。Chiang氏は、OpenAIやHugging Faceをめぐる過去の事例で、エージェントが独自に連絡手段を作ったことに触れ、同様の連携が防御にも活用できると指摘した。研究者らは、後続のハードフォーク「Hegota」で検討されるEIP-8198(「Quick Slots」)の影響を評価するため、2つ目の掲示板も設置した。
SolanaのAlpenglowで最終確定が約150ミリ秒に
Solana初の大型コンセンサスアップグレード「Alpenglow」は、水曜日の13時54分ごろ(UTC)にメインネットで稼働した。開発チームのAnzaによると、取引の最終確定にかかる時間は約12.8秒から約150ミリ秒に短縮され、短縮率は約99%となった。導入直後のDeFi活動は横ばいかやや減少しており、ネットワーク利用への長期的な影響を判断するにはまだ早い。
第1段階の「Votor」では、従来の投票・最終確定の仕組みを、バリデーターによる直接投票と証明書ベースのシステムに置き換える。この変更により、オンチェーンに表示される取引数は約60%減る見込みだ。後続の「Rotor」では、新たなブロックデータ配信プロトコルを導入し、現行の「Turbine」を置き換える計画となっている。
Starknet、93.52%が耐量子L1の調査を支持
Starknetのコミュニティは、ネットワークを独立した耐量子Layer 1へ移行する可能性を調査する案を支持した。7日間のガバナンス投票は木曜日に終了し、約3,200票が参加。投票権ベースで93.52%が調査に賛成した。
今回の投票は、Starknetがすでにイーサリアムから離れたことを意味しない。実際に移行するには、拘束力のある別のガバナンス投票が必要で、それまではイーサリアムのLayer 2として運営を続ける。StarkWareの最高経営責任者(CEO)、Eli Ben-Sasson氏は、チームがホワイトペーパーの執筆に着手し、11月に草案を公開して意見を募る予定だと述べた。今週、StarkNetは時価総額上位100銘柄の中で下落率が大きい銘柄の一つとなり、トークン価格は約25%下落した。
未修正PHPの脆弱性を試すサイト、約2,000ドルのBTCを標的に
「Steal My Bitcoin」と名付けられたウェブサイトは、未修正のPHP2Shell脆弱性がビットコインウォレットに影響するかを試すため、脆弱性を残した環境を公開している。PHPユーザーアカウントからアクセスできる場所に、約2,000ドル相当のビットコインを保管するウォレットの鍵を置き、「print-flag」というバイナリプログラムを通じてアクセスできるようにした。
記事公開時点でサイトの稼働開始から約25時間が経過していたが、侵入に成功した記録はなかった。一方、アクセスや探査リクエストが集中し、断続的に接続できない状態になった。PHPはウェブサイトやウェブアプリケーションで広く使われている。関連する2件の深刻な脆弱性は、影響を受けるサーバーで、未ログインの攻撃者がコードを実行できる可能性がある。水曜日にはオランダ、オーストラリア、日本、フィンランドなどの政府機関や組織が予防措置としてウェブサイトを一時停止し、その後PHPが緊急パッチを公開した。このウォレットのテストは特定のサイト環境を対象としており、他のPHPシステムやウォレットの安全性を示すものではない。
Tether、630万ドルのマーケティング契約をめぐる資料要求に対応
TetherのPaolo Ardoino最高経営責任者(CEO)宛ての書簡は、マーケティング契約に関する契約書、支払い、通信記録、ロビー活動関連の資料を提出するよう求めた。契約額は630万ドルで、相手先は、ホワイトハウスで暗号資産関連の顧問を務めたBo Hines氏が共同創業したマーケティング会社。取引が倫理、汚職、ロビー活動に関する規則に抵触するかが問われている。Tetherは、外部調査で不正行為を示す証拠は見つからなかったと説明した。
今週の暗号資産、BTCは1.2%安・STRKは24.9%安
週末時点でビットコインは1.2%下落し、80,549ドル。イーサリアムは1.9%安の2,343ドル、XRPは0.9%高の1.20ドルだった。暗号資産全体の時価総額は約2兆6,800億ドル。
時価総額上位100銘柄では、MemeCore(M)が週間で24.4%上昇し、上昇率トップとなった。Venice Token(VVV)は14.8%高、Ethena(ENA)は14.1%高。一方、StarkNet(STRK)は24.9%下落し、Aerodrome Finance(AERO)とSei(SEI)はともに12.5%安だった。
JPMorgan、ビットコインの10年想定リターンを年率10%と試算
JPMorgan Asset Managementは、2027年版の長期資本市場予測で、今後10年間のビットコインの年率リターンを10%と見込んだ。大型米国株の7.5%、金の5.5%を上回る水準となる。
ただし、同社はビットコインと他資産との市場相関は安定していないとして、現時点ではポートフォリオの分散手段とは位置づけていない。報告書では、ビットコインを投機的資産であると同時に、金融緩和へのヘッジ手段と表現した。これは長期の想定であり、短期的な価格見通しではない。
NovaTech創業者らに13億7,000万ドルの支払い請求
ニューヨーク州司法長官は、営業を停止した暗号資産・外国為替取引プラットフォームNovaTechの創業者、Cynthia Petion氏とEddy Petion氏、および関連企業に対し、13億7,000万ドルの支払いを命じるよう裁判所に求めた。請求額には、投資家資金約11億3,000万ドルと利息2億3,250万ドルが含まれる。
ニューヨーク州司法長官事務所によると、NovaTechと、それ以前の暗号資産マイニング事業AWS Miningを通じて、ニューヨーク州の住民1万1,000人超が数千万ドルの損失を被った。訴状は、勧誘担当者が祈祷グループ、ソーシャルメディア、WhatsAppを通じてハイチ系住民やその他の移民コミュニティに接触し、高いリターンや紹介報酬を約束したと主張している。金額や行為に関する主張は訴訟資料に基づくもので、今後の司法判断を待つ必要がある。
Bitcoin Core、脆弱性の開示方針を見直し
Bitcoin Coreはセキュリティ脆弱性の開示方針を見直している。開発者のAntoine Poinsot氏は、大規模言語モデルによって一部のソフトウェア脆弱性が発見されやすくなり、利用者にアップデートの時間を与えるため開示を長く保留する従来の方法では、十分に保護できない場合があると述べた。
脆弱性が再発見されやすい状況では、修正版の公開を長期間遅らせても効果は限られるというのがPoinsot氏の見方だ。Bitcoin Coreは新たな脆弱性発見の環境に対応するため、開示方針を更新する。今回の見直しは、修正と公表のタイミングに関するもので、特定の脆弱性について新たな情報を明らかにしたものではない。