火曜日の米国株式市場では、ダウ工業株30種平均と主要株価指数の値動きが分かれた。アマゾン(Amazon)、Incyte、Scorpio Tankers、ブラジルの金融サービスプラットフォームXPは、テクニカルチャート上の節目に接近する銘柄として注目を集めた。S&P500種株価指数とナスダック総合指数が足元で明確に上昇する一方、投資家の関心は指数の反発から、個別株が売買高と業績面の裏付けを伴って上値を試せるかどうかへ移っている。
アマゾン、50日線近辺で底固め
アマゾンは「フラットベース」を形成しており、チャート上の重要な水準は287.20ドルとなっている。株価は現在、50日移動平均線付近からの反発を試している。267.56ドル近辺の抵抗線も、より早い段階で確認すべき水準だ。火曜日の昼時点で、アマゾン株は約1%下落していた。
同社株は7月末に発表した第2四半期決算後、約15%上昇した。決算で引き続き市場の注目を集めたのは、クラウド事業のアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)だ。AWSの売上高は前年同期比37%増となり、前四半期の28%増から伸びが加速した。
アンディ・ジャシー最高経営責任者(CEO)は会社のニュースリリースで、AWSの第2四半期売上高が前年同期比36.7%増となり、18四半期ぶりの高い伸び率を記録したと説明した。また、人工知能(AI)事業と半導体事業の年換算売上高は、それぞれ250億ドルを超えたという。クラウド事業の成長が続くかどうかは、アマゾンのバリュエーションやAI投資の収益性に対する市場の見方を左右する要因となる。
Incyte、130.80ドルの買いポイントに接近
バイオ医薬品会社Incyteの株価は火曜日の昼時点で約2%上昇し、カップ・ウィズ・ハンドル型の買いポイントである130.80ドルに近づいた。同時に、同パターン内のトレンドラインに当たる128.72ドルにも接近している。今後は日中の上昇率だけでなく、株価がこれらの水準を上回って推移できるかが焦点となる。
Incyteの代表的な製品にはJakafiがある。同薬は移植片対宿主病(GVHD)に加え、骨髄線維症と真性多血症というがん関連疾患の治療に用いられる。同社は湿疹と白斑の治療薬である外用剤Opzeluraも販売している。医薬品の売上動向、適応症の拡大、研究開発の進捗が、同社株の業績見通しを左右する主な要素となる。
Scorpio Tankers、87.39ドルを試す展開
Scorpio Tankersの株価は、5月初旬から続く持ち合い局面にあり、重要な水準は87.39ドルだ。火曜日の株価は2.6%下落し、この水準まで約4%の距離にある。テクニカル面では、1日の値動きよりも、株価が87.39ドルを再び上回れるかどうかが、持ち合いの方向性を見極める手掛かりになる。
モナコに本社を置くScorpio Tankersは、平均船齢約10年のタンカー79隻を運航している。ここ数年は石油製品の需要拡大が海上輸出を押し上げ、製油所の操業停止などによって一部の輸送ルートも長期化した。一方、老朽船の更新ペースは遅く、市場で利用できる船舶数に影響している。
こうした需給環境は、タンカー運賃と同社の利益見通しを考えるうえで重要な背景となる。ただし、運賃はエネルギー貿易の流れ、船隊の供給量、世界の経済活動の変化にも左右される。
XP、ブラジルの金利動向が焦点に
ブラジルの金融サービス会社XPは、カップ・ウィズ・ハンドル型のトリガー水準である20.75ドルに近づいている。株価は月曜日に、パターン内のトレンドラインである20.42ドルを上回ったが、火曜日の昼時点では約0.6%下落した。
低い手数料を軸とする金融サービスを展開するXPにとって、ブラジルの金利とインフレの動きは重要な材料だ。ブラジル中央銀行はこれまでに政策金利Selicを14%から13.75%へ引き下げた。同じ時期にインフレ率も低下し、8月の12カ月インフレ率は4.2%となった。これは5月のピークである4.7%を下回る水準だ。
金利とインフレの変化は、個人投資家のリスク選好、XPの金融商品に関する手数料収入、企業顧客向けの債券発行管理で得られる収入に影響する可能性がある。
4銘柄は重要水準の突破を確認する段階
株価指数が最近上昇するなか、IBDの市場判断では株式投資比率を検討する局面が引き上げられた。個別銘柄の業績とテクニカル指標を確認する手段として、MarketSurgeの「Breaking Out Today」リスト、Growth 250のスクリーニングツール、Stock Checkupも使われている。
ただし、アマゾン、Incyte、Scorpio Tankers、XPはいずれも現時点ではチャート上の観察段階にある。重要水準を実際に上抜けられるか、突破後もその水準を維持できるかは、相場全体の動き、売買高、各社の最新の事業データと合わせて確認する必要がある。
現在確認されている主なテクニカル水準は、アマゾンのフラットベースが287.20ドル、Incyteのカップ・ウィズ・ハンドル型買いポイントが130.80ドル、Scorpio Tankersの持ち合いの重要水準が87.39ドル、XPのカップ・ウィズ・ハンドル型トリガー水準が20.75ドルとなっている。