オマハ第一国民銀行、コロラド州南部の事業拡大を加速
オマハ第一国民銀行(First National Bank of Omaha、FNBO)は、デンバーに拠点を置くInBanksharesを現金約2億ドルで買収すると発表した。今回の買収は、FNBOがコロラド州南部の重要市場であるデンバー、コロラドスプリングス、プエブロに進出し、地域でのプレゼンスを強化する狙いがある。FNBOの総資産は約350億ドルであり、同行は現在進行中の別の買収案件も控えている。いずれも規制当局の承認待ちで、全体の取引は2027年下半期までに完了する見込みだ。
同行の会長兼社長クラーク・ラウリッツェン氏は、二重買収案件のスケジュール管理と役割分担に注力していると述べ、「チームとリソースに大きな信頼を置き、短期間での買収完了と統合推進を目指す」と語った。
新たな支店網の拡大と新メキシコ州市場への参入
今回の買収により、FNBOはInBankのコロラド州内9支店を取り込み、州内の支店数は合計30拠点となる。さらに、InBankが運営する新メキシコ州コルファックス郡の4支店を通じ、FNBOは同州市場にも初めて参入することになる。ラウリッツェン氏は、新メキシコ州のコミュニティ規模は小さいが、既存市場とのビジネススタイルが類似しているため、新市場での成長ポテンシャルに期待を寄せている。
InBankのCEOエド・フランシス氏は、双方の企業文化が個別対応と地域密着型の経営を重視している点で合致しており、これが買収を後押ししたと指摘。統合後はフランシス氏もFNBOの経営陣に加わる予定だ。
財務状況と取引条件の概要
InBanksharesの総資産は約14億ドルで、2023年前半の純利益は前年同期比32%増の676万ドルだった。一方で、債務不良率は2026年中期に0.97%に上昇している。2025年第4四半期には不良債権引当金として730万ドルを計上し当該四半期は赤字を計上したものの、年末の不良債権率は0.42%に低下した。
これに対し、FNBOは2023年前半に約3億860万ドルの純利益を上げ、資産利益率は1.79%と、同期間の連邦預金保険公社(FDIC)が示す業界平均1.37%を上回る堅調な業績を維持している。
買収契約では、InBanksharesの株主に対して特別配当とFNBOの買収代金が支払われ、合計で約2億〜2.04億ドルの対価になる予定である。
連続した買収戦略で地域競争力を強化
今年に入ってFNBOはこれが2件目の主要買収案件だ。6月にはミズーリ州のブルーリッジ銀行ホールディングスを買収し、カンザスシティ市場での存在感を高めている。前年度末にも地元で資産規模22億ドルのカントリークラブ銀行を取得し、中西部地域での市場シェア拡大を継続している。
金融業界のアナリストは、今年の銀行買収件数は前年に比べやや減少しているものの、2028年の米大統領選を控え取引環境が活発化する可能性があると指摘する。FNBOは強固な資産基盤と経営陣体制を背景に、今後も戦略的な買収によって地域展開を深める見通しだ。