香港でのH株上場計画と調達額
中国深圳の半導体メーカー、龍迅電子は香港市場で最大2,626万株のH株を新規発行し、約6.28億香港ドル(約8億米ドル)を調達する計画を明らかにした。発行価格の上限は1株あたり240.6香港ドルで、2026年8月28日の深圳市場終値376.88人民元に対し約45%の割引が設定されている。
驚異的な利益増加が上場の追い風に
同社の2026年上半期決算では、純利益が前年同期比で7万倍以上に膨れ上がり、売上高は241億元人民元に達した。この急激な業績改善は、ストレージチップの価格上昇とデータセンターのストレージ需要の急増が主因とされている。この業績好調が、香港上場による資金調達の強い後押しとなっている。
上場スケジュールと市場評価
龍迅電子は9月4日に発行価格を確定し、翌7日に配分結果を発表、9月8日からH株の取引を開始する予定。超過配分権も設定されており、資金調達額は最大で約10.6億ドルに達する可能性がある。上場後の企業評価額は約249億ドルと見込まれている。2026年に入ってから同社の深圳A株価格は約33%上昇し、市場からその成長性を一定程度評価されている。
ストレージ市場の現状と競争激化
人工知能の進展やクラウドサービスの需要増に伴い、ストレージチップの価格は持続的に上昇している。データセンターや大手クラウド事業者間でストレージ供給を巡る競争が激化し、関連企業の収益が急速に拡大する状況だ。龍迅電子は国内主要なメモリチップメーカーの一角を占めており、今回の利益急増は業界の需給ひっ迫を反映している。
今回の香港上場は同社の資金調達手段の多様化を図る一方で、海外の投資家に中国半導体産業への参画機会を提供するものと位置付けられる。しかし、発行価格が国内市場に比べ割引幅が大きい点は投資家の注目の的であり、今後の株価推移および業績の持続的成長が引き続き市場の関心事となる。