Alphabetが発表した7~9月期決算で、YouTubeの広告収入は前年同期比9%増の112億ドルとなり、市場予想を下回った。伸び率も前四半期から鈍化した。一方、YouTube MusicとPremiumの契約者数は増加し、1億5,000万人を超えた。動画配信各社が広告事業や長尺動画の戦略を見直すなか、YouTubeでは広告とサブスクリプションの動向に差が出ている。
広告収入は9%増、前四半期から伸び鈍化
YouTubeの7~9月期広告収入は112億ドルで、前年同期比9%増だった。アナリストの平均予想は114億3,000万ドルで、実績は約2億3,000万ドル下回った。
前四半期の広告収入は約111億ドル、前年同期比の伸び率は13%だった。今四半期は収入額こそ前四半期をわずかに上回ったものの、前年同期比の成長率は低下した。Alphabetにとって、広告収入の伸び悩みと市場予想未達は注目点となる。ただし、単四半期の結果だけで今後の推移を判断することはできない。
MusicとPremiumの契約者数は1億5,000万人超
広告以外では、YouTube MusicとPremiumの契約者数が合計で1億5,000万人を超えた。3月に公表した1億2,500万人から増加している。サブスクリプションは広告以外の収益源となるが、今回の発表では各サービスの契約者数や収入の内訳は明らかにされていない。
テレビ画面での視聴でもYouTubeは高いシェアを保っている。Nielsenの最近の推計では、8月の米国におけるテレビ視聴シェアは、YouTubeがNetflixの約2倍だった。テレビでの視聴時間は、動画プラットフォームがユーザーの時間や広告予算を競ううえで重要な指標だ。ただし、視聴シェアが広告収入や収益性をそのまま示すわけではない。
Netflixは広告収入見通しを引き下げ、Instagramは長尺動画を強化
競合各社も、配信と広告の戦略を見直している。Netflixは先週の決算発表で、広告収入の見通しを30億ドルから27億ドルに引き下げ、広告商品の投入に遅れが出ていると説明した。同社は今月初めに約1,000人の人員削減も実施した。
Instagramは今週、長尺動画機能の変更を発表した。テレビ画面での存在感を高め、長尺動画の視聴をめぐってYouTubeと競う狙いがうかがえる。EMARKETERのシニアアナリスト、Ross Benes氏は、配信業界各社がYouTubeに追いつこうとしており、InstagramもYouTubeの実績を見ながら戦略を調整していると述べた。
足元のデータでは、YouTubeの広告収入は増加を続ける一方、成長率は鈍化し、市場予想にも届かなかった。MusicとPremiumの契約者数は増え、テレビでの視聴シェアも高水準にある。今後は広告収入の伸びとサブスクリプションの拡大が、事業の動向を測るうえでの焦点となる。