アラスカ州の上院選をめぐり、同じ姓の候補者に投じられた票を分けて調査するよう求めた米司法省の訴えを、連邦判事が棄却した。判事は、連邦政府に州へ特定の票の分離を命じる権限はないと判断。司法省は控訴する方針を示した。選挙結果の認証を前に、投票の秘密と州の選挙管理権限が争点となっている。
判事、票の分離方法と投票秘密の確保に疑問
司法省は、候補者のDaniel J Sullivan氏の名前が、現職の共和党上院議員Dan S Sullivan氏と似ており、有権者の混乱を招いて現職候補への支持を分散させる可能性があると主張した。訴訟では、3人が争う選挙でDaniel J Sullivan氏への票を分け、調査するよう州に求めていた。
しかし、連邦判事のSharon Gleason氏は、司法省が投票日に該当する票をどう特定して分離するのかを示しておらず、投票の秘密を守りながら調査する具体的な方法も提示していないと指摘した。中間選挙まで数日しかなく、期日前投票や郵便投票を済ませた有権者もいることから、こうした措置を求めるには遅すぎるとも述べた。
裁判所は、司法省にアラスカ州へ票の分離・調査を強制する権限はないと判断した。一方、司法省は、訴えは手続き上の理由で退けられたのであり、Daniel J Sullivan氏が有権者を混乱させる目的で立候補したとの主張が否定されたわけではないとして、控訴する意向を示した。
同姓の候補者をめぐり、陣営間で応酬
現職のDan S Sullivan氏は共和党員で、再選を目指している。もう一人のDaniel J Sullivan氏は無所属で、知名度は高くない。本人は過去に民主党、共和党双方の候補者に投票したことがあると述べている。司法省の声明は同氏を「Decoy Dan(おとりのダン)」と呼んだが、今回の判決は同氏への票に特別な扱いを求めていない。
現職議員とその支持者は、民主党が有権者を混乱させようとしていると非難している。トランプ氏も先月、この訴訟に言及し、司法省に提訴を指示したと述べたうえで、Daniel J Sullivan氏を「偽物」と呼んだ。
Peltola氏は関与を否定、選挙結果の認証にも注目
先週には、民主党候補Mary Peltola氏の陣営関係者が、いわゆる「票割れ候補」の擁立を試みた人物と協力していたとの報道があり、論争が強まった。Peltola氏は、そうした計画を知っていたことを否定している。今回の判決が扱ったのは、連邦政府が投票用紙の調査を求める権限と手続きであり、候補者間に連携があったかどうかについて裁判所が判断したものではない。
アラスカ州の上院選は、議会の主導権を左右する中間選挙のなかでも、接戦の一つとみられている。司法省が控訴する方針を示すなか、投票の秘密を守れるか、州が選挙を管理する権限を維持できるか、結果を所定の手続きで認証できるかが引き続き焦点となる。