SpaceXの2026年7〜9月期は売上高と利益が大きく伸び、AI部門の売上高がStarlinkを含む接続事業を初めて上回りました。AIインフラへの設備投資計画も大幅に引き上げられ、半導体やメモリー、データストレージ機器の需要をめぐり、NVIDIA、Micron、Seagate Technologyの3社が市場の注目を集めています。
SpaceXが10月20日に公表した7〜9月期の売上高は145億8000万ドルで、前年同期比161%増。純利益は44億ドルでした。事業別ではAI部門が75億6000万ドルとなり、Starlinkを含む接続事業の52億5000万ドルを上回りました。
AIインフラに164億ドル、10〜12月期の支出は最大400億ドル
設備投資の拡大も注目されています。SpaceXの7〜9月期の設備投資額は196億ドルで、そのうち164億ドルをAIインフラに充てました。四半期の設備投資の大半を占めています。
最高財務責任者(CFO)のBret Johnsen氏は、10〜12月期の総支出が350億〜400億ドルに達する可能性があると説明しました。実現すれば、従来のウォール街の予想の約2倍となります。
計画が進めば、AI向け半導体やメモリー、データストレージ機器の調達が増える可能性があります。ただし、発注額や調達時期、資金調達の方法はまだ確定していません。
SpaceX株は時間外取引で約2.5%上昇。NVIDIA、Micron、Seagateも一時約2%上昇しましたが、同じ時間帯の株価には他の市場要因も影響した可能性があります。
10月20日の終値とアナリスト目標株価
10月20日の終値と市場集計による12カ月平均目標株価を比べると、NVIDIAは216.47ドルに対し328.72ドルで、目標株価までの上昇余地は51.9%。Micronは終値896.07ドル、平均目標株価1561ドルで74.2%、Seagateは675.13ドルに対し1138ドルで68.6%でした。
これらはアナリストの目標株価と当日の終値との差を示す数値であり、実際の株価や確定したリターンを示すものではありません。
NVIDIAとの取引は資金調達と発注が焦点
3社のうち、SpaceXとの潜在的な取引関係が最も直接的なのはNVIDIAです。SpaceXがNVIDIAのAI半導体を購入するため、約400億ドルの資金調達を目指しているとの見方が市場で注目されてきました。資金調達と調達計画がまとまれば、NVIDIA製プロセッサーに追加需要が生じる可能性があります。
一方、資金調達はまだ確定しておらず、購入についても最終的な発注には至っていません。設備投資計画がNVIDIAの売上高にどの程度結びつくかは、資金の確保、半導体の納入時期、インフラ整備の進捗に左右されます。
メモリーやストレージへの需要波及はこれから
Micronはメモリー、Seagate Technologyはデータストレージ機器を手がけています。AIインフラの拡大には計算用半導体だけでなく、高性能メモリーや大容量のデータ保存・処理設備も必要です。SpaceXの支出計画の引き上げを受け、投資家は両社を含む供給企業の受注機会を改めて見ています。
ただし、設備投資計画が供給企業の売上高に反映されるまでには、発注の確定、製品の納入、生産能力の調整といった段階があります。現時点で確認できるのは、SpaceXの7〜9月期のAI部門売上高が75億6000万ドルに達し、インフラ投資の拡大を計画していることです。各社への実際の恩恵は、今後の受注や決算、経営陣の説明を待つ必要があります。