米国の航空株は今週、緩やかに反発している。最新の決算では航空需要の底堅さが確認された一方、燃料費の大幅な上昇が航空会社の利益を圧迫している。ユナイテッド航空は7〜9月期の業績が市場予想を下回り、通期見通しを引き下げた。アラスカ航空も予想に届かなかった。サウスウエスト航空は水曜日の取引終了後、アメリカン航空は木曜日朝に決算発表と投資家向け電話会議を予定している。
ユナイテッド航空の7〜9月期の調整後1株利益(EPS)は2.54ドルとなり、前年同期から約9%減少した。市場予想の2.57ドルも下回った。売上高は前年同期比17%超増の178億6,000万ドルと過去最高を更新したが、市場予想の178億9,000万ドルにはわずかに届かなかった。
プレミアム客室と貨物が売上高を押し上げ
ユナイテッド航空によると、四半期の売上高はプレミアム客室、ベーシックエコノミー、ロイヤルティー事業、貨物など複数の部門が支えた。旅客需要全体も底堅く、売上高は過去最高を更新した。ただ、収入の伸びがそのまま利益の拡大にはつながっていない。
現在、航空会社にとって最大の圧力となっているのが燃料費だ。ユナイテッド航空の7〜9月期の燃料費は前年同期比62%増の48億4,000万ドル超に膨らんだ。平均燃料価格は1ガロン当たり2.43ドルから3.90ドルへ上昇しており、コストの増加率は売上高の伸びを大きく上回った。
燃料高の転嫁率を引き上げる方針
ユナイテッド航空のスコット・カービー最高経営責任者(CEO)は、燃料価格の上昇分の約72%をすでに消費者へ転嫁していると説明した。会社としては、この比率をほぼ100%まで高めることを目指しているという。
燃料費の上昇が続けば、航空券価格や関連手数料を通じて乗客の負担がさらに増える可能性がある。一方で、運賃の引き上げが今後の旅客需要や航空会社の価格設定余地にどのような影響を与えるかは、引き続き焦点となる。
投資家にとって今回の決算は、航空業界が抱える二つの側面を示している。旅客数と多様な収益源は売上高の拡大を支えているが、燃料費の上昇は利益の伸びを抑えている。市場の関心も、単純な需要回復の有無から、各社がコストをどこまで運賃などに転嫁し、利益率を維持できるかへ移っている。
10〜12月期の利益見通しは0.50〜1.50ドル
ユナイテッド航空は、10〜12月期の調整後EPSを0.50〜1.50ドルと見込んでいる。会社は業績見通しも引き下げたが、現時点で公表された情報では、引き下げ幅や具体的な理由の全容は明らかになっていない。
今後発表されるサウスウエスト航空とアメリカン航空の決算、および経営陣の発言は、業界全体の需要、運賃水準、燃料費の負担を見極める手掛かりとなる。
ユナイテッド航空の決算発表後も航空株は一定の反発を示した。ただし、これは燃料費の圧力が解消したことよりも、需要の底堅さに対する市場の注目を反映した動きとみられる。今後の株価は、各社が運賃、旅客数、コストをどう組み合わせていくかに左右されそうだ。