- カナダ統計局が発表した最新のデータによると、2026年6月のカナダの貿易黒字は5月の修正後の37億カナダドルから38.6億カナダドルに拡大し、4か月連続で貿易黒字を維持しました。当月の輸出総額は前月比0.4%増の770億カナダドルと過去最高を記録し、5か月連続で増加しました。輸入総額も0.2%増の736億カナダドルとなり、こちらも過去最高を更新しました。
- 貴金属の輸出の大幅な急増が全体の輸出拡大を支える主要な原動力となりました。6月の金属および非金属鉱産物の輸出は16.5%増加し、特に未精錬の金、銀、プラチナ族金属の輸出は27.9%急増しました。英国への金の出荷量の増加や外国居住者によるカナダの保管金の購入の増加が、国際価格の低下による原油および精製石油製品の輸出の減少を相殺しました。
- 輸入面では、人工知能インフラの建設需要が強力に牽引し、電子および電気機器の輸入は前月比11.7%増加しました。特にデータセンター向けの高性能プロセッサおよびコンピュータ周辺機器の輸入は59.0%急増しました。この影響で、カナダの対米貿易黒字は前月の110億カナダドルから100億カナダドルに縮小し、非米国との貿易赤字は61億カナダドルに縮小しました。
金の避難買いが輸出を記録的に押し上げる
6月の未精錬金および貴金属の輸出は前月比27.9%急増し、カナダの総輸出額を770億カナダドルの過去最高に直接押し上げました。英国市場での金の需要の増加と世界的な資産配分の転換は、マクロの不確実性の中で金の避難資産としての特性を浮き彫りにしました。このような構造的な外需はカナダドル(CAD)の底堅さを支えるだけでなく、資本が避難資産に急速に流れていることを示しています。
エネルギー価格の下落が伝統的な輸出収益を抑制
国際原油価格の調整により、カナダの6月のエネルギー製品の輸出は10.0%減少し、特に原油と精製石油製品の輸出はそれぞれ11.1%と16.9%減少しました。伝統的なコモディティ輸出国として、エネルギー収益の圧迫は、世界的な需要の弱さが油価の押し上げに乏しいことを反映しています。これにより、伝統的なエネルギーセクターの評価再評価の動力が弱まり、貿易黒字の背景にもかかわらず、カナダドル対米ドル(USD/CAD)の為替レートは依然として圧迫されています。
AIデータセンター建設が資本財の輸入を刺激
カナダの6月の輸入額は736億カナダドルと過去最高を記録し、特にコンピュータおよび周辺機器の輸入は59.0%急増しました。これは主に米国のデータセンター向けプロセッサの強い需要によるものです。2026年上半期、この種の設備の輸入は前年同期比36.7%増加し、技術産業が計算能力施設への資本支出を高水準に維持していることを反映しています。AI分野への集中的な資金流入は、市場が技術セクターの長期的な利益の押し上げに楽観的な見方を持っていることを示しています。
貿易構造の進化と二国間バランスの調整
二国間貿易構造において、カナダの対米貿易黒字は5月の110億カナダドルから100億カナダドルに縮小し、非米国との赤字は61億カナダドルに縮小しました。ハイテク製品の輸入と英国の金の購入が貿易の再均衡を押し上げました。市場は貿易黒字の連続拡大が経済の強靭性を高めたと考えており、金融政策の再評価は慎重になる可能性があり、金利の予想は短期的に安定を維持する可能性があります。