パランティア・テクノロジーズの2026年7〜9月期売上高は前年同期比96%増の23億ドルとなり、記録上で最も高い伸びを示した。米商業部門の売上高が初めて米政府部門を上回り、同社は通期の売上高成長率見通しも引き上げた。一部のAI関連株が軟調ななか、企業顧客からの需要や契約残高の拡大が確認された一方、高い株価評価も引き続き注目される。
売上高・1株利益とも市場予想を上回る
2026年7〜9月期の売上高は23億ドルで、前年同期比96%増、前四半期比20%増だった。希薄化後1株利益は0.44ドルと、前年同期から144%増加した。市場予想は売上高22億ドル、1株利益0.41ドルで、いずれも実績が上回った。
成長をけん引したのは米商業部門だ。人工知能(AI)プラットフォーム「AIP」を含む同部門の売上高は9億8,400万ドルで、前年同期比148%増、前四半期比29%増となった。米政府部門の売上高は9億5,300万ドルで、前年同期比96%増、前四半期比18%増だった。商業部門が政府部門を上回ったのは初めてで、米企業市場での事業拡大を示している。
契約額と既存顧客の支出も拡大
同四半期の契約総額(TCV)は29億2,000万ドルで、前年同期比6%増だった。うち米商業部門のTCVは14億6,000万ドルと、同11%増。既存顧客の支出動向を示すネット・ドル・リテンション率は165%に達し、既存顧客の支出が前年同期から65%増えたことを示した。
米商業部門の残存取引価値(RDV)は65億2,000万ドルとなり、前年同期比79%増、前四半期比4%増だった。この指標は、進行中または履行待ちの契約価値を含み、今後売上高に転換し得る案件規模を測る手掛かりとなる。ただし、すでに売上高として計上された金額ではない。
同社の「40%ルール」スコアは158%だった。売上高成長率と利益率を組み合わせ、ソフトウエア企業の成長と収益性を捉える際に使われる指標だ。営業キャッシュフローと調整後フリーキャッシュフローはいずれも12億ドルで、利益率は約53%。期末の現金・現金同等物は105億6,000万ドルだった。
通期売上高成長率の見通しを約91%に引き上げ
パランティアは通期の売上高成長率見通しを約91%に引き上げた。前四半期時点の見通しは82%だった。また、売上高の成長率は13四半期連続で加速した。連続増速と見通しの引き上げは事業の勢いを示すが、今後の成長は契約の売上高への転換や顧客支出の継続に左右される。
高い株価評価も業績への注目を集める要因だ。11月2日の株価は178.34ドルで、前日比3.13%下落した。記事で示された算定方法による株価収益率(PER)は約125倍。成長企業の評価に用いられる指標を踏まえても、株価水準をめぐる市場の見方には隔たりがあり、成長期待と評価の差が、今後の事業動向に対する株価の反応を大きくする可能性がある。
カープCEO、企業データの管理を重視
最高経営責任者(CEO)のアレックス・カープ氏は、企業はデータを外部サービス事業者、とりわけAIソリューションを提供する企業に安易に預けるべきではないとの考えを示した。データには企業独自の知識や業務プロセス、戦略上の優位性が含まれると説明している。
同社は実践型のトレーニングを通じ、顧客にプラットフォームの活用方法や具体的な業務成果、投資対効果の測り方を示している。こうした直接的なデモンストレーションを、製品導入を促す手段の一つと位置付ける。
7〜9月期は、米商業部門の売上高が政府部門を初めて上回り、契約残高や既存顧客の支出を示す指標も伸びた。一方、株価評価は依然として高く、今後は引き上げ後の通期売上高成長率見通しを達成できるかが焦点となる。